この記事でわかること
会社員がふるさと納税と医療費控除を確定申告で併用する手順を数字で解説。ワンストップ特例との違い・還元率・注意点まで1記事で完結。
結論から言うと、ふるさと納税と医療費控除を同じ年に使う場合、ワンストップ特例は無効になり、確定申告が必須になります。申告書1枚で両方を同時に申請でき、手順は5ステップで完結します。

手順の全体像
- 書類を集める
寄附金受領証明書・医療費領収書・源泉徴収票の3点を用意する。 - 申告書作成コーナーを開く
国税庁のe-Taxサイトにアクセスし、対象年分の申告書作成を開始する。 - 寄附金控除を入力
「所得控除」欄の「寄附金控除」に自治体ごとの寄附金額を転記する。 - 医療費控除を入力
「医療費控除」欄に年間医療費合計を入力し、10万円を超えた分が控除対象になる。 - 申告書を送信・提出
e-Taxで電子送信するか、印刷して税務署に郵送し、3月15日の期限を守る。
なぜワンストップ特例が使えなくなるのか
ワンストップ特例は「確定申告をしない会社員」だけが使える制度です(総務省の制度概要より)。医療費控除を申請するには確定申告が必要になるため、同じ年にふるさと納税をしていた場合、ワンストップ特例の効力は自動的に失われます。
ワンストップ特例を提出済みでも、確定申告でふるさと納税の寄附金控除を改めて申告すれば問題ありません。二重申請にはならず、確定申告の内容が優先されます。
- ワンストップ特例を提出済み → 確定申告でふるさと納税も申告し直す
- ワンストップ特例を未提出 → 確定申告にふるさと納税の寄附金控除を追加するだけ
- どちらのケースも確定申告書は1枚(同じ申告書内に両方記入)
確定申告で両方を申請する5ステップ
-
必要書類を集める
ふるさと納税の「寄附金受領証明書」(各自治体から郵送)、医療費の領収書または医療費通知書、源泉徴収票(勤務先から)、マイナンバーカードまたは本人確認書類を用意します。 -
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を開く
e-Taxのウェブブラウザ版(https://www.e-tax.nta.go.jp)にアクセスし、「令和7年分の申告書を作成する」を選択します(2026年1月以降)。 -
寄附金控除を入力する
「所得控除」欄から「寄附金控除」を選択し、自治体ごとに寄附金額と自治体名を入力します。寄附金受領証明書の記載どおりに転記すればOKです。 -
医療費控除を入力する
「所得控除」欄から「医療費控除」を選択します。年間の医療費支出が10万円(または総所得の5%)を超えた分が控除対象になります(所得税法73条)。セルフメディケーション税制との併用は不可なので、どちらか有利な方を選びます。 -
申告書を送信・印刷して提出
e-Taxならマイナンバーカードで電子送信(24時間対応)、書面なら税務署に持参または郵送します。提出期限は翌年3月15日です(2026年の場合、令和7年分は2026年3月16日が期限予定)。

ワンストップ特例 vs 確定申告:どちらが得か比較
| 項目 | ワンストップ特例 | 確定申告(医療費控除と併用) |
|---|---|---|
| 手続き方法 | 各自治体に申請書を郵送 | 国税庁サイトで申告書を作成・提出 |
| 医療費控除との併用 | 不可(無効になる) | 可(同一申告書に記入) |
| 還付・控除の反映先 | 翌年の住民税のみ | 所得税(還付)+翌年住民税の両方 |
| 申請の手間 | 自治体数だけ書類を郵送 | 申告書1枚にまとめて入力 |
| 向いている人 | 医療費控除が不要な会社員 | 医療費が年10万円超えた人・副業収入がある人 |
| 寄附先の上限数 | 年5自治体まで | 上限なし |
確定申告では所得税の還付が先に受け取れる点もメリットです。ワンストップ特例は住民税の減額のみで、還付は6月以降の住民税で徐々に反映されます。
医療費控除と組み合わせると控除額はどう変わるか
以下は目安の計算例です(実際の控除額は所得・家族構成等により異なります)。
- 年収500万円・独身の場合、ふるさと納税の自己負担2,000円を超えた分と医療費控除は独立して計算されます。合算されるわけではなく、それぞれ別の控除として所得から差し引かれます。
- 医療費控除の計算式:
控除額 = 年間医療費支出 − 保険等の補填額 − 10万円(目安) - 例:年間医療費15万円 → 控除額5万円 → 所得税率20%なら約1万円が還付(目安)
- ふるさと納税の控除はこれと別枠で計算されるため、医療費控除の金額が増えても、ふるさと納税の控除が減ることはありません。
ただし、医療費控除を申請すると所得控除が増えるため、住民税の計算基準となる「課税所得」が下がります。その結果、ふるさと納税の控除上限額がわずかに下がるケースがあります(数千円程度の変動が目安)。寄附前に控除上限シミュレーターで確認することを推奨します。

よくある失敗と注意点
失敗1:ワンストップ特例の申請後に確定申告を忘れる
ワンストップ特例を提出していても、医療費控除のために確定申告をする際にふるさと納税の記入を省略すると、ふるさと納税の控除がゼロになります。確定申告書の「寄附金控除」欄への記入は必須です。
失敗2:寄附金受領証明書を紛失する
各自治体から送付される寄附金受領証明書は確定申告の添付書類(e-Taxでは提出省略可だが保管5年が必要)です。さとふるやふるさとチョイスなどのポータルサイトではマイページから再発行依頼が可能です。
失敗3:医療費の集計漏れ
健康保険組合から届く「医療費のお知らせ」を使うと集計が楽になります。ただし、年末に受診した分は翌年1〜2月に届く通知に含まれないケースがあるため、領収書を手元で確認してください。
失敗4:セルフメディケーション税制と医療費控除を両方申請する
セルフメディケーション税制(市販薬の購入費8万8,000円超を控除)と通常の医療費控除は同年に併用できません(租税特別措置法41条の17の2)。どちらか控除額が大きい方を選びます。
まとめ:確定申告で両方を取り逃がさないチェックリスト
- ✅ 医療費控除を申請する年はワンストップ特例が無効と認識する
- ✅ 確定申告書に「寄附金控除」と「医療費控除」の両方を入力する
- ✅ 寄附金受領証明書・医療費領収書・源泉徴収票の3点を手元に用意する
- ✅ 提出期限(翌年3月15日ごろ)に遅れない
- ✅ 事前に控除上限シミュレーターでふるさと納税の限度額を確認する
次に取る一歩は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」と、さとふるの控除上限シミュレーターを開くことです。どちらも無料で使え、入力は30〜60分で完了します。
よくある質問
Q: ワンストップ特例を提出済みでも確定申告はできますか?
A: できます。確定申告書の寄附金控除欄にふるさと納税の内容を改めて入力すれば、ワンストップ特例は自動的に無効となり確定申告の内容が適用されます。記入漏れだけ注意してください。
Q: ふるさと納税の控除上限額は医療費控除で変わりますか?
A: わずかに下がる可能性があります。医療費控除により課税所得が減少し、住民税の計算基準が変わるためです。変動幅は年収や医療費の金額によりますが、数千円程度が目安です。事前にシミュレーターで確認することを推奨します。
Q: 確定申告の提出期限はいつですか?
A: 原則として翌年2月16日〜3月15日です。2026年(令和7年分)の申告期間は2027年2月16日〜3月15日となる予定です。還付申告のみの場合は1月1日から提出可能で、期限は5年間です。
Q: 年間の寄附先が6自治体以上でもワンストップ特例の代わりに確定申告できますか?
A: できます。確定申告には寄附先の上限がありません。寄附金受領証明書を全自治体分まとめて申告書に入力すれば、すべての寄附が控除対象になります。
Q: e-Taxと書面提出、どちらが手続きしやすいですか?
A: マイナンバーカードを持っている場合はe-Taxが便利です。税務署に行く必要がなく、還付金の振込も書面提出より約2〜3週間早い傾向があります(国税庁の案内による目安)。カードがない場合は書面印刷して税務署に郵送も可能です。
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