この記事でわかること
共働き夫婦のふるさと納税は「名義=支払い者」が大原則。夫婦それぞれが別々に申し込む方が控除上限額を最大化できます。名義の決め方・上限額の目安・よくある失敗まで具体的に解説します。

手順の全体像
- 見込み年収を確認
給与明細や昨年の源泉徴収票をもとに今年の見込み収入を2人それぞれ把握する。 - 上限額をシミュレーション
さとふる等の無料シミュレーターに年収・家族構成・住宅ローン控除の有無を入力し2人分の上限を確認する(各5分程度)。 - 各自のアカウントで申込
夫は夫のアカウント・妻は妻のアカウントで別々に申し込み、支払いも申込者本人のカードを使う。 - 控除申請を2人分送付
ワンストップ特例の申請書を2人分それぞれ1月10日必着で自治体に送る。
結論:ふるさと納税の名義は「実際に払う人ごと」に分ける
共働き夫婦の場合、ふるさと納税は夫・妻それぞれが自分名義で別々に申し込むのが正解です。
1人まとめて申し込むと、もう1人の控除枠が丸ごと無駄になります。2人分をうまく使えば、世帯全体の控除上限額は単純に2倍になります。
以下で「なぜ名義が重要か」「どちらが得か」「手続きの落とし穴」まで順に解説します。
なぜ名義が重要なのか:控除の仕組みから理解する
ふるさと納税の税控除は、寄附した本人の所得税・住民税から差し引かれる仕組みです(総務省「ふるさと納税ポータルサイト」に基づく)。
つまり、夫が妻名義で寄附しても、妻の税金から控除されるのは妻自身が支払った寄附だけです。名義と実際の支払い者が食い違うと、控除が受けられないリスクがあります。
- 寄附申込者名=控除を受ける人の名前
- 支払い方法(クレジットカード等)=原則として申込者本人のものを使う
- ワンストップ特例・確定申告のどちらも「本人申請」が必要
夫のカードで妻名義の寄附をした場合、自治体や税務署の判断によっては「寄附者と支払者が異なる」として控除が否認されるケースも報告されています(2026年時点の実務上の注意点として広く周知されています)。

共働き夫婦の3パターン:どう申し込めばいい?
年収や働き方によって最適な組み合わせが変わります。
パターン①:夫婦ともに年収300万円以上
最も多い共働き世帯のケースです。2人それぞれが自分名義で申し込むのが基本です。
たとえば夫の年収600万円・妻の年収400万円(扶養なし・社会保険料控除のみで試算)の場合、目安の控除上限額は次のとおりです。
- 夫(年収600万円):上限目安 約7万7,000円
- 妻(年収400万円):上限目安 約4万2,000円
- 世帯合計:約11万9,000円
※さとふる・楽天ふるさと納税などの「控除額シミュレーター」で実際の数字を確認してください。上記は2026年時点の目安であり、家族構成・各種控除によって変わります。
パターン②:妻がパート・年収103万〜201万円
妻の年収が低い場合、妻の控除上限額は小さく(年収150万円で目安1万〜2万円程度)、手間のわりに効果が薄いことがあります。
この場合は夫名義に集中しつつ、妻分は少額または申し込まないという判断もあります。ただし「夫のカードで妻名義」は避け、妻名義なら妻自身のカードか振込で支払います。
パターン③:妻が産休・育休中
育休中は育休取得年の課税所得が大幅に下がるため、控除上限額も激減します。育休中の年は上限額が数千円〜1万円以下になるケースも多いです。
前年まで年収500万円あった人が育休で収入が半年分になった場合、その年の上限は通常の4〜5割以下になることがあります。必ずシミュレーターで当年の見込み収入を入力して計算してください。翌年以降に復職すれば、また2人分フル活用できます。
夫婦で申し込む際の比較表
| 項目 | 夫名義のみ(1人分) | 夫婦それぞれ(2人分) |
|---|---|---|
| 控除枠の活用 | 夫の枠のみ | 夫+妻の合計枠を活用 |
| 手続きの手間 | 少ない(申込1件) | 2倍(申込・申請が2本立て) |
| ワンストップ特例 | 夫のみ申請 | 夫・妻それぞれ申請が必要 |
| 向く世帯 | 妻が専業主婦・年収103万以下 | 妻が会社員・パートで年収150万以上 |
| 注意点 | 妻の枠を無駄にする | 支払い方法を各自のもので管理する必要あり |

実践で使える4ステップ:共働き夫婦の申込手順
-
2人それぞれの「今年の見込み年収」を確認する
給与明細や源泉徴収票の昨年分を参照し、今年の増減を加味します。 -
控除上限額をシミュレーターで試算する
さとふる・楽天ふるさと納税などの無料シミュレーターに「年収・家族構成・住宅ローン控除の有無」を入力し、2人分の上限額を確認します(所要時間:各5分程度)。 -
それぞれ自分のアカウントで申し込む
夫は夫のアカウント・妻は妻のアカウントで別々に申し込みます。支払いは申込者本人のクレジットカードまたは銀行振込を使います。 -
控除申請(ワンストップ特例or確定申告)を2人分行う
ワンストップ特例は申し込みから60日以内が目安。1月10日必着の自治体が多いため、12月に申し込んだ場合は特に注意が必要です。
よくある落とし穴と注意点
落とし穴①:夫のカードで妻名義の申込をしてしまう
ふるさと納税サイトによっては「申込者名」と「支払い者」が分離できる設計になっていますが、税務上のリスクが残ります。
名義(申込者)と支払い方法は必ず同一人物のものにそろえるのが安全です。実務上、自治体の証明書に記載される寄附者名が控除対象者と一致していることが求められます。
落とし穴②:上限額を超えて寄附してしまう
上限を超えた分は「税控除のない純粋な寄附」になります。年の途中で転職・産休・副業収入が加わった場合は、年末に見込み収入を再計算して上限を確認してください。
落とし穴③:住宅ローン控除と併用する場合
住宅ローン控除が大きい世帯は、所得税からの控除余地が少なくなるため、ふるさと納税の控除上限が実質的に下がることがあります。シミュレーターに「住宅ローン控除あり」を入力して上限を再確認してください。目安として、年収500万円・住宅ローン控除30万円の場合、控除上限が1万〜2万円ほど下がることがあります。
落とし穴④:12月申込でワンストップ特例の期限を逃す
ワンストップ特例の申請書は、寄附した年の翌年1月10日必着が多いです。12月下旬に申し込んだ場合、年明けすぐに申請書を送付する必要があります。2人分あると書類の管理が煩雑になるため、11月末までの申込を目安にするのが現実的です。
まとめ:共働き夫婦のふるさと納税、行動チェックリスト
- ✅ 名義は「寄附する本人」ごとに分ける(夫分は夫、妻分は妻)
- ✅ 支払い方法も申込者本人のカード・口座を使う
- ✅ 2人それぞれの上限額をシミュレーターで確認する(育休・転職年は要再計算)
- ✅ ワンストップ特例は2人分の申請書を別々に、1月10日必着で送る
- ✅ 住宅ローン控除がある場合は「あり」でシミュレーションし直す
次の一歩は、2人それぞれのさとふるや楽天ふるさと納税のアカウントを開き、今年の見込み年収でシミュレーションを実行することです。所要時間は2人合わせて15分程度で完了します。
よくある質問
Q: 夫婦で同じ返礼品(同じ自治体)に2口申し込んでもいい?
A: 問題ありません。夫婦はそれぞれ別の寄附者として扱われます。同じ自治体に夫5,000円・妻5,000円と個別に申し込めば、2人分の返礼品を受け取れます。ただし申込は必ず各自のアカウントで行ってください。
Q: 確定申告をする場合も名義は同じルールですか?
A: はい。確定申告でも「寄附した本人が申告する」のが原則です。夫の確定申告書に妻名義の寄附金控除を載せることはできません。2人が確定申告をする場合は、それぞれの申告書にそれぞれの寄附を記載します。
Q: 妻の年収が201万円以下なら夫の扶養に入れる?ふるさと納税の名義は変わる?
A: 扶養の有無とふるさと納税の名義は別の話です。妻が扶養に入っていても、妻に課税所得(住民税)がある場合は妻名義で寄附・控除申請できます。ただし年収100万円以下など住民税非課税の場合は控除効果がほぼありません。
Q: ポイント目的で夫のカードを使って妻名義で申し込みたい。問題ある?
A: 税務リスクがあるため推奨できません。支払い者と寄附者が異なる場合、控除が認められないリスクがあります。ポイントを優先するなら妻自身がカードを作るか、妻が妻のカードで支払う方が安全です。
Q: 年末に2人分の上限額が余っていたら、どちらかに集中して使っていい?
A: 枠は名義ごとに独立しています。夫の枠が余っていても妻の申込に充てることはできません。逆も同様です。それぞれが自分の残り上限を確認し、個別に申し込む必要があります。年末は各自のシミュレーターで残額を確認してから申し込んでください。
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